手の記憶が息づく、工房の日常。
和太鼓や三味線は、一本の糸、ひと張りの皮から音が生まれます。 札幌・小路楽器店の工房で日々行われている、ものづくりの風景をご紹介します。
太鼓の皮を広げる
太鼓づくりは皮選びから始まります。
厚みや張り具合、繊維の流れを確かめながら、
その日の湿度に合わせて水を含ませ、静かに伸ばしていきます。
太鼓に鋲を打つ
皮を胴に張ったあとは、玄能で1つずつ鋲を打ち込んでいきます。
力ではなく耳と感覚。音の張りを確かめながら、
太鼓としての“鳴り”が生まれていきます。
締太鼓皮を縫う
締太鼓は強い張力に耐えるため、皮を糸で縫い合わせます。
針を通す手の感覚、糸の引き具合──どれも経験がものを言います。
一針ごとに音の強さと美しさを刻んでいく工程です。
三味線皮張りを仕上げる
太鼓よりも繊細な張りが求められる三味線。
気温や湿度で張り具合が変わるため、一瞬の判断が肝心です。
静けさの中に、音の誕生を感じる仕事です。
糸巻きを加工する
糸巻き(ペグ)は、音の命を支える大切な部品です。
削り、磨き、微調整を重ねて、手に馴染む回し心地に整えます。
音が決まる瞬間です。